子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会 とりまとめ

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子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会とりまとめ(案)が公表されましたね。

当ブログでは、これまで子ども家庭福祉ソーシャルワーカーについて随時取り上げてきましたが、ここでは「まとめ」をしていきたいと思います。

また、「とりまとめ」の内容について、こども家庭ソーシャルワーカーについて、現任者として気になったところを記事にしていきたいと思います。

記事の信頼性

医療・高齢・地域福祉でソーシャルワーカーとして、対人援助職20年以上。現職は、地域福祉機関で管理者をしています。
社会福祉士養成校等で、社会福祉士等の養成に関わって約10年。
有資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、公認心理師。ブログ月間1万PV。

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーに関するまとめ(このサイト)

2021年末に、令和3年度 社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 報告書(案)が示されて、その後、2月10日に社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 報告書がでています。

ここでは、児童福祉法の改正が予定されている大きな項目の一つである新たに創設されるソーシャルワーカーの資格について、医療や介護・障害のソーシャルワーカーと比較しながら思うことを書いています。

「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」の研修内容が検討され始めました。子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会について、研修が始まるのはいつごろ?子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの勤務先は?などについて書いています。

ここでは、子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会ワーキンググループを参考にして、特に気になる研修の内容や実務経験の範囲等について、ピックアップして触れています。

子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会ワーキンググループを参考にして、特に「保育士ルート」をまとめています。保育士から子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの取得を検討されている方必見です。

子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会 とりまとめ

相談援助の実務経験として認められる施設の範囲

実務経験として認められる施設の範囲については、表2に掲載されている施設となりました。

表2 相談援助の実務経験の範囲として認められる施設(例)

 とりまとめの文章の中で、特に気になった文を以下に抜粋します。

認定資格がこども家庭福祉分野に従事する者の専門性の一層の向上を急務として創設されることに鑑み、以下の方向で検討すべきではないか(参考:資料編の表2)
・ こども又はその家庭に対し、こども家庭福祉に関する知識・技術を用いて相談援助業務を行う施設を対象としつつも、施設の対象については、こども又はその家庭のみを対象とする施設に限らず、幅広く認めること
・ この場合、社会福祉協議会等の、こども又はその家庭のみを対象とする施設以外で勤務した者については、当該施設において、こども又はその家庭に対し、こども家庭福祉に関する知識・技術を用いて相談援助業務を行った旨の証明をすること
・ また、受講するすべての者が、指定施設において相談援助業務を行った旨の証明をすること

社会福祉協議会は実務経験の施設に含まれていないような気がするのですが・・・、表は“例”とあるので、その他の施設も含まれる可能性がありますね。

コミュニティソーシャルワーカー子ども支援にとって必要不可欠な存在ですので、この文面からは、実務経験に勘案されると理解できそうです。ずっと気になっていたので、本当に良かったです。

実務経験の範囲として認められる業務

実務経験の範囲として認められる業務についても表3のようにまとめられています。

表3 相談援助の実務経験の範囲として認められる業務

私は現在、地域福祉でソーシャルワーカーとして働いている現任者ですが、今回創設される子ども家庭福祉ソーシャルワーカーを自分が取得するかどうか悩んでいます(これだけ取り上げといて・・・、なんだそれ💦)

ですが、以下の文面を目にすると、いろいろ考えてしまいました。みなさんはどう感じられるでしょうか。

こども家庭福祉の現場で勤務する者の人材確保のためには幅広く認める必要があるのではないか。こども又はその家庭が抱える生活課題は貧困や家族関係、地域との関係など複雑化・複合化しており、こどものみを支援の対象にすることで解決するものではない。社会福祉協議会や地域包括支援センターなどは地域の様々な困難ケースを扱う立場であり、認めることが妥当ではないか

「やっぱり取らないと・・・。」という気持ちになってしまうのは私だけでしょうか?

別の話ですが、現在、社協と包括が手を取りあって、いろんな生活課題に取り組んでいきたいと、個人的には強く思っていて、自分なりにアプローチをしている真っ最中なのですが、二つの機関が横並びの表現を本当にうれしく思いました。

今回は、「認定資格取得希望者の裾野を広くする」ことが強い内容といった印象を持ちました。

こども家庭福祉の認定資格取得者に求められる専門性

こども家庭福祉の認定資格取得者に求められる専門性についてです。

ここでも、私が気になった一文を抜粋します。

認定資格取得者に求められる専門性については、認定資格取得者がこども家庭福祉のソーシャルワークを行う上での基本的な理念を重視しながら、社会的養護に係る支援やこどもの保護者への支援、行政権限等の行使、自立に向けた支援といった、こども家庭福祉の特性に沿った支援や、地域を基盤とした多機関協働等によるソーシャルワーク等を行うことができるようなものを位置づけるべきである。

地域共生社会という概念や、社会福祉法の改正を踏まえて意見されていることが分かります。

地域を基盤とする視点や多職種協働といった分野は、子ども分野にかかわらず、高齢介護はもちろん、障害福祉や様々な分野で横断的に活躍するソーシャルワーカーに期待される大切な役割だと思います。

試験の在り方

そして、やっぱり気になる試験についてです。

以下に簡単にですが、気になる点をまとめました。

  • 毎年一回以上、認定機関が行うべきである
  • こども家庭福祉に係る課程及びソーシャルワークに係る課程として履修した基本的な知識や技術を問う問題が適切に出題
  • 免除科目によらず、試験については一律に課す
  • 実技試験は行わない
  • 選択肢式の出題形式
  • 事例問題による出題も含める

合格基準等について
合格基準については、認定資格がこども家庭福祉に係る相談支援等を行う現場で働く職員が受講することが主に想定されていることも踏まえ、資格取得時点においてこども家庭福祉分野における相談支援等に必要な基礎的な知識及び技術が備わっていることを確認することができるような基準

試験時間や問題数などは、まだまだこれからですね。

基礎的な知識技術が問われるようですし、公認心理師と同様な「事例問題」が含まれることもポイントですね。

認定資格取得者の名称

認定資格の名称をどうするかという話し合いが、ワーキンググループでありましたので最後に取り上げます。

第8回子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会ワーキンググループ資料より

この点、当検討会・WGにおいては、下記のように、「こども家庭ソーシャルワーカーとすべき」旨の意見が多数を占めた。
・ 認定資格取得者が有する専門性が伝わりやすいため、「こども家庭ソーシャルワーカー」とすべき
・ こども又はその家庭にかかわる様々な分野でソーシャルワーク支援を行うということから、「こども家庭ソーシャルワーカー」とするのが良い
・ 既存の民間資格において、ソーシャルワーカーとの用語を用いている例もあり、「こども家庭ソーシャルワーカー」が良いのではないか
・ 「専門員」との名称とすると、施設に配置されている家庭支援専門相談員等、既存の名称との混同が生じると思われるので、用いるべきではない
・ 国際的にも通用するような名称とすることに鑑みれば、「こども家庭ソーシャルワーカー」とした方が良い。その場合、英語表記は CFSW(Children andFamily Social Worker)となる

CFSW! 素直にカッコいいですね!

資料の中に、医療ソーシャルワーカーが掲載されていること自体が、私にとってはうれしい驚きでした。

「ソーシャルワーカー」という名称としては「医療ソーシャルワーカー」が、最も古いものになります。(医療ソーシャルワーカー業務指針 日本医療ソーシャルワーカー協会より)

医療ソーシャルワーカーが、これまで地道に取り組んできたこと、辿ってきた歴史(いろんな・・・)、スクールソーシャルワーカーの登場そして頑張りがあって、ソーシャルワーカー」という名が、広く住民に受け入れられていく素地を作ったんだ。ということを、私はこのスライドから感じ取りました(勝手にね💦でも、真剣です)

これまで多分野で活躍してきたソーシャルワーカーの存在があったから、今回初めて「ソーシャルワーカー」という冠が付く認定資格ができるのだと思います。

多様な背景を持つソーシャルワーカーの活躍の時代が始まっているのでしょうね。

読んでいただいて、ありがとうございました。

めざし

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