ソーシャルワーカーとは?~ソーシャルワークをわかりやすく解説します~

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ソーシャルワーク
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ここでは、できる限り簡単に「ソーシャルワーカー」について、わかりやすく説明したいと思います。
一般的な職業紹介のサイトでは、ソーシャルワーカーについてさまざまな説明がされています。例えば、「様々な機関や人々との連携・調整をするのが役割」といった紹介です。
私は現任のソーシャルワーカーですが、どれも間違ってはないのですが、ソーシャルワーカー説明としては、まったく足りていないと感じています。

このブログで、「ソーシャルワーカーとは?」が分かるように解説していきたいと思います。
ソーシャルワーカーは、文字通り「ソーシャルワーク」を実践しますので、この「ソーシャルワークとは?」について、解説していきたいと思います。

記事の信頼性

医療・高齢・地域福祉でソーシャルワーカーとして、対人援助職20年以上。現職は、地域福祉機関で管理者をしています。
社会福祉士養成校等で、社会福祉士等の養成に関わって約10年。
有資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、公認心理師。ブログ月間1万PV。

ソーシャルワークの定義

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義については、非常に難しいです。

20年臨床経験しても、まだ本質的には掴めきれていないというのが私の率直な経験談です。
ソーシャルワーカーの仕事が分かりにくいのは、この「ソーシャルワーク」が一言では説明できないのがその理由ではないかなと思っています。それだけ、奥深いのだとも言えます!
手掛かりにしていくために、厚生労働省が平成29年に出した報告書の中で、比較的わかりやすい定義が示されていましたので、それを取り上げて解説していきたいと思います。

ソーシャルワークの定義

「ソーシャルワークとは社会福祉援助のことであり、人々が生活していく上での問題解決なり緩和することで、質の高い生活(QOL)を支援し、個人のウェルビーイングの状態を高めることを目指していくことである。」

引用:ソーシャルワークに対する期待について 厚生労働省 色は筆者

ちょっと何言ってるかわからない💦(サンドウィッチマン的な)ですよね。
一つ一つを細かくみていきましょう。

「人々が生活していく上での問題」とはなんでしょうか。

ここで登場する4人の人物たちは、私がこれまでかかわってきた具体的な「生活していく上での問題」を抱えた当人たちです。それぞれの事情をみていきましょう。

けがによって、仕事ができなくなって収入がなくなり、生活に困っています。」

心の病気によって家事がまったく、できなくなってしまった。」

「夫からのDVを受けていて、心身ともに疲れ切ってどうしていいのかわからない。」

「夫の認知症が進行して、昼夜問わず介護が大変なんです。」

「生活していく上での問題」 は、本人の身体的・精神的なことに関することもあるでしょうし、配偶者や住居等といった環境の問題もあるでしょう。
生活なのですから、本当に多岐にわたる問題があることが分かりますね。


「解決なり緩和」について考えていきます。

先ほどの4人へ、ソーシャルワーカーの関りが始まっていきます。その経過をみていきましょう。

まず初めは、Aさんです。けがによって、仕事ができなくなって収入がなくなり、生活に困っていましたが、市役所のソーシャルワーカーの関りで、

▶生活保護の受給申請をして、当面生活費には困らなくなった。

心の病気によって家事ができなくなってしまったBさんは、地域福祉のソーシャルワーカーと相談して、

▶心療内科を受診することとになり、内服治療を開始した。

夫からのDVを受けていて、心身ともに疲れ切っていたCさんは、女性のための相談センターのソーシャルワーカーと、

▶夫婦関係について相談ができ、今後の方針について話し合った。

認知症が進行して、昼夜問わず介護が大変なDさんは、高齢者サポートのソーシャルワーカーと相談して、 

▶介護保険を申請し、デイサービス利用を開始して、妻の負担を軽減した。

なんだか、少し解決していきそうな感じですね。教科書的にはこういった成功事例を示すのだと思います。

ですが、生活の課題は、すっきりする解決は残念ながらあまりありません。Aさんらも、実は次のような思いもあるわけです。

「保護は最低限の生活保障であって、もともとの生活水準からは程遠いですよね。」

「服薬によって、そんなすぐ病気は良くなっていないです。」

「相談はできましたが・・・、夫からの暴力は続いています。」

「遠方の娘に頼ることはできないし、介護はずっと続いていきますので・・・。」

現場では、このような本人たちの声を聴きます。なので、「解決なり緩和」という言葉を使っている理由が私としては現実的だなぁと思うのです。


「質の高い生活(QOL)を支援する」を考えていきます。

さて、4人にはソーシャルワーカーの支援の続きがあります。それを見ていきましょう。

生活への立て直しを行って、身体の不自由はあるが目標にしていた就業復帰することができた。

▶受診は継続しているが、家事が少しずつできるようになってきた。

夫婦での対話が少しずつ増えてきており、夫の行動も変化が見られえた。

▶家族会議を行って、遠方の家族の協力が得られ、家族のが深まった。

事例としては、すべて良い方向性になっています。・・・現場はそう甘くはないのですが。

まとめ ソーシャルワーカーとは

ここで大切なポイントは、解決することが目的ではないことが、4人の経過から理解できますね。

何のために、本人の課題を解決や緩和をするのか。
それは「質の高い生活」のためであるということになります。
質の高い生活は4人それぞれなのです。
個人の人権尊重、自己実現の促進を高めていくことが最終目的になります。

「個人のウェルビーイング」ウェルビーイング(well-being)とは、個人の人権尊重を前提に自己実現促進を目的とした積極的でより権利性の強い意味合いを含んだものとして理解されている。

引用:ソーシャルワークに対する期待について 厚生労働省

いかがでしたか?すこし、ソーシャルワーカーが行う「ソーシャルワークとは?」が見えてきたかと思います。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

そして、人権を尊重し、自己実現を支援するためには、必要になる能力がさまざまあります。以下はそれらについてまとめていますので、参考にしてくださいね。

ソーシャルワーカーの資格や仕事の話を以下にまとめていますので、ご参照ください。

めざし

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