子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの研修に関する検討会について

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ソーシャルワーク
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いよいよ「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」の研修内容が検討され始めましたね。
子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会
ここでは、どんな感じで研修が始まっていくのか、検討会の内容からピックアップして触れていきたいと思います。

記事の信頼性

医療・高齢・地域福祉でソーシャルワーカーとして、対人援助職20年以上。現職は、地域福祉機関で管理者をしています。
社会福祉士養成校等で、社会福祉士等の養成に関わって約10年。
有資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、公認心理師。ブログ月間1万PV。

記事の内容

  • 新しい子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの研修内容について
  • 研修が始まるのはいつごろ?
  • 子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの勤務先は?
  • 気になる現任者ルートの実務経験の範囲について
  • 初めて公の資格名に「ソーシャルワーカー」と付く意味って

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの研修はいつから?

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの研修はいつから始まるのでしょうか?
そのタイムスケジュールが、検討会にて子ども家庭局長から示されていました。
『国の基準を満たした認定機関が認定した研修を経て取得するものとして、令和6年4月から導入』となっているようです。
とても早いですよね。今が令和4年8月末ですから、そんなに時間がありませんね。
民間資格だけれども、も関与した民間資格と検討会では、説明されていました。
しっかり、「認定機構を国で認定する」といったところで、資格の公の価値を高めようということでしょうね。

2024年1月に福祉新聞が報じていましたので、以下に追記しました。

子ども家庭庁から抜粋

上記のタイムスケジュールを見ると、
・研修公募は、令和6年(2024年)のごろ
・研修実施は、夏から冬にかけて1期目。
試験は、令和7年(2025年)2月~3月
といったところのようです。

今後の検討等のイメージ(案)

施行までの大枠のイメージが以下のスケジュールです。

  1. 令和4年7月 子ども家庭福祉の認定資格の取得に係る研修等に関する検討会開催
  2. 令和4年度冬頃 検討会において一定の取りまとめ
  3. 令和5年度春頃 関係省令等の整備
  4. 令和5年度夏頃 認定機構の発足
  5. 令和6年4月 改正児童福祉法施行

当検討会はだいたい1か月に一度のペースで開催されて行って、冬までに取りまとめる
ものすごい急ピッチで研修内容を決めていきますね。長く見ても6か月で仕上げるということになります。

令和4年度中の冬ごろ。このころには、研修の全容が見えてくるかと思っていいようですね。しっかり、アンテナ張っておきたいところです!!

ワーキンググループでのタイムスケジュール

本検討会には、ワーキンググループが立ち上がっており、そのタイムスケジュールが示されていました。
研修内容をこのWGで具体化させていって、12月に実施される第二回の本検討会でとりまとめをするようです。
ですので、このワーキンググループでの論議が中心になるようですね。

とりまとめ案が発表されましたので、以下のサイトで取り上げています。

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの勤務先

今のところ、想定されてる子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの勤務先です。どういったところで活躍することを、国は考えているのでしょうか?

  • 児童相談所
  • 市区町村(子ども家庭総合支援拠点)
  • 児童福祉施設(児童養護施設、乳児院等)
  • 子ども家庭センター
  • 地域子育て相談機関

下2つは、令和6年4月の改正児童福祉法に盛り込まれて、体制をつくるために整備することとなっています。
上記以外でも、本検討会で児童家庭支援センターや、小中学校におけるソーシャルワークの実践の場なども勤務先として、取り上げられていました。
今後、任用の幅は拡大しそうですね。

今後の検討会での課題

1.子育て家庭等に対するソーシャルワークを行う能力

2.子どもの発達等に関する理解

3.支援に際して必要な関連制度に関する理解

この3つを具体化していくというのがこの検討会に求められている課題だ』としています。
ソーシャルワークの基本理念についてや面接やニーズ把握等について、体系的に学ぶとするならば、基礎資格である社会福祉士になります。
次のサイトで社会福祉士については、詳しく触れているので、参考にしてくださいね。

現任者ルートの実務経験の範囲について

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーは「現任者の研修受講が必須」ということになるわけですが、この「現任者ルートの実務経験の範囲」が、はたしてどこまでを指すのかまだ示されていません。

そのことについて、以下のように構成員から言及がありました。

現在の社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験の制度では、実務範囲が局長通知で明示されているという点も考慮して、これらと整合する実務範囲が明確に指定される必要

例えば、社会福祉士においての実務経験の範囲は、「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第2条」及び「指定施設における業務の範囲等及び介護福祉士試験の受験資格の認定に係る介護等の業務の範囲等について」厚生省社会局長、厚生省児童家庭局長通知により定められています。

これに示す施設職種以外の経験は、実務経験の対象とならない。と決められているのです。

相談援助業務(実務経験)を参考に。

安易に実務経験の範囲を拡大(緩和)するべきではない

実務経験の範囲については、この発言をベースに、取りまとめが進んでいきそうですね。
実務経験の範囲ついて、ワーキンググループから提示がありましたので、以下のサイトで紹介しています。

児童分野の「ソーシャルワーカー」について

6か月以内で研修の建てつけを考えていく、(無茶な)スケジュールです。基本的には、イギリスでつくられた考え方を一つのモデルとしていくようです。
個人的には、初めて目にする資料でしたので、大変ありがたかった。
以前、この資格について取り上げた小生のブログの中で、児童分野だけこんなにソーシャルワークについて話が出ていて、「うらやましい」と書いていました。

だけど、現場の構成員のこの発言を見て、考えを改めました。

「ソーシャルワーク」という言葉は、児童相談所の長い歴史の中で、公的な文書等では、ほとんど使われてきていないことがわかります。近年になって「ソーシャルワーク」という言葉が公的に使われているような状態であります。

診断主義的ソーシャルワークの時代の社会診断、心理診断、医学診断という診断の文字がオンパレードになっています。そこにジェネラリストソーシャルワークを入れていくのは整合性がつくのだろうかということ

構成員の方も現場にずっと従事して、学んできた(学んでいる)ソーシャルワークとのギャップを長年体感してきたのだと思います。正直、胸にグッと響きました。
おこがましいし、失礼なんですが、「めざしもおんなじ思い」です。
医療ソーシャルワーカーとしては、退院・退所支援業務に追われている現状や、包括支援センターにおいても、日々持ち込まれる総合相談や介護予防ケアマネジメントに翻弄されている日々が現実にはあって、
発展してきた統合的なソーシャルワークは実践できているのか?

ケースを大切に積み重ねて、クライエントの取り巻く「環境面」にも働きかけられているのかな?
この問いは常にあるし、一現任者として悩んでいます。

初めて公の資格名に「ソーシャルワーカー」と付く意味って

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーは、初めて公の資格名(国も関与した民間資格として)に「ソーシャルワーカー」と付きます。
付くからには、この資格を取得し実践するものは「ソーシャルワーク」を実践できなければなりません。
ミクロ・メゾ・マクロの視点、システム思考。ケース相談から、社会への変革の働きかけも含むのが、今日的なソーシャルワーカーの姿です
・・・姿なのですが、ちゃんと「ソーシャルワーカー」を体現できる素地が、児童分野もまだまだなのでしょうか。その苦悩が、議事録からは切実に伝わってきました。
でもですよ。でも・・・、近年でも、「ソーシャルワーカー」について、このような国の公的機関でたくさん論議されていることを、私たちソーシャルワークの実務者はもっと知るべきだとも思います。
そして、公的に「ソーシャルワーカー」という戴のある資格が初めて世に出ることも含めて、現任者は、自らの力に変えたいですね。
また保育士やその他活躍されている児童分野の現任者が「ソーシャルワークを旗印にする」これは他の分野に見られないことです。

あらためて、ソーシャルワークを実践している(これからしていく)みんなで、社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重を原理にして、日々の臨床を頑張っていきましょう!

めざし

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