「社会福祉士」の資格について知りたいです。福祉の専門職として社会福祉士の専門性は何なのでしょうか?魅力ある資格なのでしょうか?
働きながら、資格を取得になるためにはどうしたらよいのかしら?
このサイトでは、
- 社会福祉士の資格について、わかりやすく教えてほしい。
- 社会福祉士の仕事は、魅力があるのか?
- 社会人だけど、働きながら、資格を取得にするにはどうしたらよいのか?
などなど、いろんな疑問にお答えしたいと思います。
記事の内容
- 社会福祉士について
- 社会福祉士の専門性ってなに?「ソーシャルワーク」をわかりやすく
- 社会人のままで、資格の取り方について
記事の信頼性
医療・高齢・地域福祉でソーシャルワーカーとして、対人援助職20年以上。現職は、地域福祉機関で管理者をしています。
社会福祉士養成校等で、社会福祉士等の養成に関わって約10年。
有資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、公認心理師。ブログ月間1万PV。
社会福祉士について
社会福祉士は「国家資格」の一つです。
社会福祉士及び介護福祉士法昭和62年(1987年)5月26日に公布されました。
「相談」の専門職として、社会福祉士は国家資格として設けられました。
社会福祉士となるためには、国家試験をパスしないといけません。
まず試験概要を見ていきましょう。
社会福祉士国家試験の概要
国家試験
年1回の筆記試験(例年1月の下旬に実施)
筆記試験の科目(19科目)
- 人体の構造と機能及び疾病
- 心理学理論と心理的支援
- 社会理論と社会システム
- 現代社会と福祉
- 社会調査の基礎
- 相談援助の基盤と専門職
- 相談援助の理論と方法
- 地域福祉の理論と方法
- 福祉行財政と福祉計画
- 福祉サービスの組織と経営
- 社会保障
- 高齢者に対する支援と介護保険制度
- 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
- 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
- 低所得者に対する支援と生活保護制度
- 保健医療サービス
- 就労支援サービス
- 権利擁護と成年後見制度
- 更生保護制度
非常に幅が広いですよね。そう簡単に取得できるものではないことが分かりますね。
国家試験の難易度は、「高い」とされています
試験の実施状況(令和2年度実施の第33回試験結果)
受験者数35,287人、合格者数10,333人(合格率29.3%)
毎年、1万人の社会福祉士が誕生しています。
合格率は、他の国家資格と比較すると驚くほど低いですね。
参考として、
福祉系 | 医療系 | ||
介護福祉士 | 71.0% | 看護師 | 90.4% |
精神保健福祉士 | 64.2% | 理学療法士 | 79.0% |
資格者の登録状況
257,293人(令和3年3月末現在)
資格取得ルートは大きく分けて3つ
社会福祉士の取得には、大きく3つのルートがあります。いずれかのルートにより国家試験の受験資格を取得し、社会福祉士国家試験に合格し、登録することが必要になります。
- 福祉系大学等で社会福祉に関する指定科目を修めて卒業する「福祉系大学等ルート」
- 福祉系大学等で社会福祉の基礎科目を修めて卒業等した後、短期養成施設で6月以上修学する「短期養成施設ルート」
- 一般大学等を卒業又は4年以上相談援助業務に従事等した後、一般養成施設で1年以上修学する「一般養成施設ルート」
最短が1番のルートになりますね。4年制の大学卒業時に受験資格を取得することが可能です。
平均給料について
気になる給与ですね。生活相談員・支援相談員 の給与を参考にしましょう。
355,150円となっていました。(介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤の者、職種別))
令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要より抜粋
社会福祉士の専門性ってなに?
医師や看護師は医療職です。その専門性は大変わかりやすいですよね。
一方で、社会福祉士の専門性は何でしょうか?
それはずばり「ソーシャルワーク」の専門職です。
ソーシャルワークといっても、とっつきにくいですよね。横文字ですし、よくわからない・・・。
でも、なんだか、カッコよさそうな「ソーシャルワーク」。
ですので、ここでは、少し、社会福祉士の成り立ちとソーシャルワークについて解説していきます。
社会福祉士の成り立ち
社会福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法昭和62年5月26日に公布されました。1987年ですから、今から30年以上前のことです。
社会福祉士とは(定義)
社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。
「相談」は本来身近なものです。家庭内や親しい間柄にあるものです。
その「相談」の専門職として、社会福祉士は国家資格として設けられました。
社会福祉士はこれまで見直しが行われています。
社会福祉士にとって、とても大切なので、それを見ていきましょう。
平成19年の見直し
平成19年に社会福祉士は教育内容(厚生労働省)が見直されました。
見直しの理由としては、介護保険制度などが始まって、社会福祉士の取り巻く環境が大きく変化したためです。
今後の社会福祉士に求められる役割が整理されました。
その時に、定義に追加されたのが、以下の「連絡・調整」という文言です。
これまで「相談」の専門職だったのが、それプラス「いろんな関係者と連絡・調整する仕事でもあるんだ」ということが、追加されたということですね。
社会福祉士への役割が広がってきたということです。
ソーシャルワークの専門職である社会福祉士について
平成30年3月に厚生労働省にてソーシャルワーク専門職である社会福祉士に対する期待がまとめらました。
この「ソーシャルワーク」については、定義に基づいて以下のサイトでまとめていますので、是非参考にしてくださいね。
ソーシャルワークの専門職としての役割を担っていける社会福祉士を養成するために、令和元年に教育内容(厚生労働省)が見直されています。
このスケジュールでいくと、新しいカリキュラムで養成を受けた社会福祉士が令和7年4月から活躍していくことになります。
今後は、ソーシャルワーク実践能力を持った社会福祉士が活躍することが期待されています。
ちなみにいろんなところで、ソーシャルワーカーの資格はありませんという説明を目にしますが、
- ソーシャルワークが奥深く幅が広い「実践」と「学問」であるということ
- 昨今のソーシャルワークへの期待
それらから、基礎資格として「社会福祉士が必要」であるとはっきり言うことができます。
社会福祉士の資格について、わかりやすく教えてほしい。社会人だけど、働きながら、資格を取得にするにはどうしたらよいのか?分かりやすく、もう少し詳しく「おすすめの通信講座」を教えてほしい方へ、どうぞご一読ください。
以下のサイトでは、社会福祉士の仕事は、どんな仕事ですか?どんな働く場所があるのでしょうか?年収はどれぐらい?就職先は?などなどの疑問に、直近の統計データや各種根拠法などに基づいて、いろいろ考察して紹介しています。