メンタルヘルスケアについて~安倍晋三元首相の事件後、セルフケアのすすめ~

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気まぐれコラム
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管理人のめざしです。ご覧になっていただいて、ありがとうございます。

突然ですが、私は、自民党支持でも保守でもないのですが、今回の安倍晋三元首相が亡くなった一連の事件について、大変心を痛めています。

ここでは、事件後に必要と思うメンタルヘルスケアについて触れていきたいと思います。

漠然とした「不安感」について

日ごろ意識していなくても、卑劣な事件や事実は、みなさんの中に間違いなく存在しているでしょう。

特に、安倍晋三元首相の事件は、私にとっても大きい出来事だし、その残忍な事実から、強い不安を感じています。

言語化できない漠然とした不安感が社会全体を覆っているのでは・・、と私は思います。

もともと、コロナ禍で人的交流遮断されて、子どもたちは経験を奪われて、高齢者は不活発になってフレイルになっています。

その「体力」が無くなっている状況で、今回のような大きな事件が起こってしまったら、不安定さを助長してしまいます。

現に、日ごろの相談業務の中で、メンタルヘルスケアに関わる相談が増えているし・・・、季節の変わり目かもしれないけれど。

この不安感や不安定さのある中で、私はメンタルヘルスに対してのセルフケアが、今特に大切ではないかと思うのです。

精神的な面でいえば、私たちが関わっている当事者や私たちにとっても、最後の一粒(中井久夫)となるかもしれません。

最後の一粒とは、砂を少しずつテーブルの上に落としてゆくと、最初のころの一粒は落ちたあたりの数粒を動かすだけである。ところが最後の一粒は、同じ砂粒であるのに、全体にすごい力を及ぼす。この一粒の重さで全体が崩壊する。(看護のための精神医学)

といった、一見意識しない原因が、実は復元力をこえて、山を崩すように全体を崩壊させてしまう。というものです。対人援助職としてとても腑に落としてくれる言葉なので、私は大切にしています。

今ある社会の漠然とした不安感は、体力がなくなっている人々の失調を生みやすくなるのではないかと気になっています。

テレビも同じ内容が垂れ流しのようにリピートされているし、連日、報道される衝撃的な映像や音声は、個人的にも本当につらいです。

また、SNSもニュースがスマホにプッシュ通知されれば、便利はいいですが、自分が望んでいない情報も目の前に飛び込んできたりもする。

情報にもオン・オフをつけていく

大切なのは、私たちが情報をシャットアウトする環境を持ち、心を整えることです。

①テレビ・ラジオを消す、②スマホのプッシュ通知をやめるといったことで、ダメージとなる一粒一粒を整理して、自分の復元力を保つ必要がある。

「知りたい」と思う興味関心もあると思います。でも、そこは睡眠と覚醒のように、情報にもオン・オフをつけて整えていきたいですね。

  • 例えば通勤中に、外の景色を見る。
  • 余暇の時間に書籍に没頭する。
  • 音楽を楽しむなど。

リストにすると当たり前だけど、情報と距離を置ける環境を私たちが整えて持つことが大変重要だと思います。

共感の時間をつくる

不安感があるときには、価値観を共有している仲間同士や、信頼しているパートナーと話し合うのも効果があります。

人々が生活していく上での問題を解決なり緩和するためには、面接などを通じて「共感」のプロセスが、とても大切と位置づけされています。

A・E・アイビーは共感を「援助者がクライエントの世界をあたかも自分の世界のように経験すること」と定義しています。

対話から共感が生まれますので、これを活用することも一つでしょう。

一般的にピアカウンセリングの場では、同じような立場や悩みを抱えた人たちが集まって、相談し合い、支え合うことを目的としています。

対話するにしても、そういったを設けないといけません。

ですので、意識してそういった時間を設けることが大切ですね。

セルフモニタリングを行う

教育現場や高齢者介護予防などで活用されているセルフマネジメントの方法の一つです。

自分自身の行動を記録することによって、その行動や態度に対する具体的な気づきをもたらす技法です。

包括においても、介護予防の取り組みとして、居場所に参加している高齢者に対して、カレンダーに運動のチェックリストを手渡して、6か月後の行動変容を観察したりしています。

具体的に例えば、

  1. 指導者から誉められたことを日記に書く。
  2. 自宅で運動を行うたびにカレンダーに記録をする。

といったものであり、記録するという行為自体が励みとなって動機づけが高まる場合もある。(厚生労働省より抜粋編集)

自分の行動や考え、感情を自分で観察したり、記録したりすること。自分自身の行動を維持したり、変更したりするセルフマネジメントスキルにもつながります。(公認心理師テキストより)

便利なサイト

いくつか、便利なサイトを以下に紹介しますので、参照にしてくださいね。

こころの耳(厚生労働省)

メンタルヘルスケアというと、今の国の施策の流れで、仕事に関係することがメインで出てきます。仕事に関わらない時でも、何かの手掛かりにはなりますので、参考にしていきたいですね。

こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」(厚生労働省サイト)です。働く方やそのご家族、職場のメンタルヘルス対策に取り組む事業者の方などに向けて、メンタルヘルスケアに関するさまざまな情報や相談窓口を提供しています。

みんなのメンタルヘルス

このサイトはどちらかというと「病気」をターゲットにしています。予防のことも掲載されていますので、参考にしたいですね。

ご案内
「みんなのメンタルヘルス総合サイト」の情報は、令和5年4月より国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」に掲載しています。

ソーシャルワーカーとして思うこと

なぜ、この事件が自分自身に大きな出来事になっているのかそれを少し最後に記すことにします。

私はこの民主主義の国に生まれ、そして現在はソーシャルワーカーとしてのアイデンティティを大切にしています。

みなさんも、個人としても職業としても大切にしていることがあるでしょう。

この事件は、演説中の政治家を背後から銃で撃つという卑劣極まりない蛮行です。

なぜ、この事件が自分自身に大きな出来事になっているのか。それを紐解いてくれた糸賀一雄氏の「福祉の思想」から引用したいと思います。

国民大衆の権利意識の成長であり、それに基づいた社会福祉の実践である。

第二次大戦後のアメリカを中心とした軍政のなかで、わが国の憲法や各種の社会事業立法が誕生したといっても、それが単に強制的に押し付けられたに過ぎないものであったならば、それを中核とした民主主義がわが国で育つはずがなかったとも言えよう。

主権在民の民主主義の思想が国民生活の中に定着したのは、それをうけ入れるだけの素地があったからだと見なければなるまい。

戦前戦後から積み上げてきた民主主義という社会の中で、社会福祉の実践を行ってきた私自身も凶弾によって挑戦されたような感覚があって、大変ショックを受けたのだと・・・、愚考しています。

暴力には断固として反対し、これからも社会福祉の実践を行っていきたいと思っています。

めざし

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