ケアマネジャー(介護支援専門員)の魅力について

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悩める職員
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ケアマネジャーって魅力あるのかしら?教えてください。

ケアマネジャー(介護支援専門員)は魅力ある仕事なのでしょうか?

「なんだか大変そう」と、素朴な疑問を持たれてる方はおられるのではないでしょうか?

ここでは、いろんなケアマネジャーの魅力をご紹介したいと思います。

記事の内容

  • 押さえておきたい!ケアマネジャーとは?
  • 介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
  • ケアマネジャーの魅力をわかりやすく紹介
  • まとめ

記事の信頼性

医療・高齢・地域福祉でソーシャルワーカーとして、対人援助職20年になります。現職は、地域福祉機関で管理者をしています。
社会福祉士養成校等で、社会福祉士等の養成に関わって8年。
有資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、公認心理師。

まずは、ケアマネジャーという職業について、ここではざっくりと触れていきましょう。

ケアマネジャー(介護支援専門員)について

ケアマネジャーとは?

ケアマネジャーとは何かは、以下の3点にまとめられます。

  1. 要介護者や要支援者の人の相談に応じます。
  2. 介護サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成をします。
  3. 市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行います。(介護保険法第7条第5項)

介護福祉士のように直接的に体に触れて介護サービスを提供する仕事ではなく、相談業務を中心にしている職業ということができますね。

また「要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するもの」と規定されています。

直接的ではないにせよ、要介護・要支援者を支える介護の専門職であることは、間違いありません。

ケアマネジャーになるには

ケアマネジャーには以下の順序でなることができます。

  1. 保健医療福祉分野での実務経験(医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士等)が5年以上である者
  2. 介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
  3. 介護支援専門員実務研修の課程を修了する
  4. 介護支援専門員証の交付を受ける

1から4を経て、はれて「ケアマネジャー」(介護支援専門員)となることができます。

よくケアマネジャーは国家資格なのか?という質問があります。

ケアマネジャーは、国家資格ではありません

厳密に言うと、研修を受けるための「受講試験」に合格するということになります。

介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について

次に、その「受講試験結果」を見てみましょう。

合格率の推移は、第一回目から低下の傾向が続いています。

特に第21回(平成30年度) においては、49,332人の受験者数に対して、合格者 4,990人と少なく、合格率としては 最低の10.1 %でした。

ここを底辺にして、近年では20%前後の合格率となっています。

その合格率から簡単でない試験ですね。

業務内容

具体的な業務内容をみていきましょう。

介護保険制度の言葉によく「居宅」という言葉が出てきます。あまり聞きなれない言葉ですが、文字通り「住んでいる家」であり、「在宅」を指します。

また「居宅」と区別して「施設」が位置づけられています。

居宅における業務

要介護者や要支援者の人の相談を受け、ケアプランを作成するとともに、居宅サービス事業者等との連絡調整や、入所を必要とする場合の介護保険施設への紹介などを行います。

主に居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが在籍している所)、介護予防支援事業所(地域包括支援センター)で働いています。

地域包括支援センターについては、以下を参照くださいね。

施設などにおける業務

施設等のサービスを利用している利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援するため、解決すべき課題の把握等を行った上で、施設サービス計画等を作成します。
施設等では、施設サービス計画等に基づき、サービスを実施します。

ケアマネジャーの魅力

ケアマネジャーの魅力

さて、いよいよ本題のケアマネジャーの魅力についてです。

ここでは、居宅のケアマネジャーの魅力を中心に紹介していきます。

先に挙げた、ケアマネジャーの仕事に沿って、3点紹介していきましょう。

  1. 要介護者や要支援者の人の相談に応じます。
  2. 介護サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成をします。
  3. 市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行います。

要介護者や要支援者の人の相談に応じる

ここで言う「相談」とは何でしょう?

相談といっても色々あるわけですが、

ケアマネジャーの相談とは「人が問題に直面して、援助を求めている」状態です。

要介護状態になった高齢者やその家族が、介護の問題を中心として直面して、困っている状況があります。

「相談に応じる」ということは、援助するということを指します

この「援助する」というと、カッコいいですよね。

ケアマネジメントの先人たちの言葉Ⅰ(swithun bowers)

もう少し、ケアマネジャーの魅力に迫るために、ケアマネジメントの源流であるソーシャルケースワークの先人たちの言葉を紹介しましょう。

ソーシャル・ケースワークは、「個人の能力地域の資源を動員する技術」(swithun bowers)

たとえば介護職の方であれば、個人の能力を活かしたりすることはイメージしやすいかもしれませんね。要介護の状態であっても、本人のできることを奪わない支援が重要です。

いろんな工夫や豊富なアイデアで、本人に合った介護がバシッと決まれば、「やった!」という感じです。

それとともに、地域の資源も活用するのが、ケアマネジャーの大切な仕事になります。本人にとって必要な資源とは何でしょうか。

介護保険をはじめとした社会保障制度はとてもややこしいですが、私たちは実にさまざまな制度に囲まれて生活を営んでいます。

高齢者やその家族もまた同じです。

介護の問題に直面しても、制度等も導入されなければその恩恵は受けられません。その仲介役が大切なケアマネジャーの役割になります。

個人の能力も地域の資源もしっかりと本人のために「動員」できるのが、ケアマネジャーのすごさですね

ケアマネジメントの先人たちの言葉Ⅱ(Felix Paul Biestek)

もう一つの言葉を見てみましょう。

ケースワークは「人が問題に直面し、ニードを満たして、サービスを受けられるように援助すること」(Felix Paul Biestek)

とこのようにバイスティックは説明しています。

バイスティック氏はケースワークの原則を提唱した人物です。書籍の紹介を以下のサイトで行っていますので参考にしてください。

ここでいうニードとは何でしょうか。

それは、画一的なものではありません。個人が個人として歩んできた生活史に沿って、その価値観に沿って、現在を捉えて、未来に向けて援助することが必要になります。

言い換えれば、ニードを満たすということは、その方にとっての最高峰のサービスメニューをカスタマイズして整えると言って良いのではないでしょうか。

この「最高峰のサービスメニューをカスタマイズして整える」なんて、すごいお仕事です。ケアマネジャーの醍醐味と言っていいでしょう。


ケアプランの作成

ここで「ケアプラン」について、少し解説をしたいと思います。

事実上の業務専有といって良い?ケアマネジャーだけができる仕事

たとえば、医療においては、健康保険証を持っているだけでは、薬はもらえません。受診して、お薬の処方箋をもらいます。

同じように、介護保険も介護認定を受けるだけでは、サービスは受けることができません。ケアプランの作成によって、はじめてサービスが受けることができます

医師でもない本人が自分で診断することはできませんが、介護保険においては、自分でケアプランを作成すること(セルフプラン)が認められています

このセルフプランは本人の「尊厳の保持」という介護保険の大切な側面になります。

ですが、制度上は、自分で作成したケアプランは、市町村に提出して「承認」を得なければなりません。

勝手に、サービス利用は認められないわけです。

このセルフプランは、利用者 約3,922万人に占める割合が「0.05%」という非常に低い割合になっています。(令和元年度老人保健健康増進等事業 「セルフケアプランに関する調査

そういった実態を踏まえれば、本人の「ケアプラン」を作成する代理人として、事実上業務を専有しているのがケアマネジャーと考えていいでしょう。

ケアマネジャーにしかできない仕事の所以ですね。

ライフストーリーを踏まえられるケアプランナー

介護の問題は、現時点の問題です。当たり前なのですが・・・。

ということは、ケアマネジャーも、今のことしかわかりません。

介護保険の理念である「尊厳」を守っていくためには、尊厳のあるこれまでの人生について、知ることが大切です。

そこには、利用者家族のこれまで培ってこられた「しなやかさ」や「力強さ」が必ずあります

介護の問題に直面すると、本人や家族は手一杯になって、余裕がありません。

利用者本人も身体やこころがつらい状態。介護する家族も日々の介護のルーティンで疲れ切っています。

そんな時に、自分の価値に気づくことはできにくいものです。

ケアマネジャーは、いままで歩んできた利用者家族の人生を聴き、知ることで、問題対処の糸口を一緒に探していくのです。

  • 職人の仕事をしていました。昔はよく儲かった。頑張って仕事してきた。
  • 写真を撮るのが好きで、展示を出したりしていました。
  • フラワーアレンジメントを教えていました。
  • 孫がスポーツ選手で活躍していたよ。

私がこれまで聞いてきたほんの一例です。そこには、たくさんの人生があります。

こういう「語る」とき、みなさん目をキラキラさせて嬉しそうに話されています。

ケアマネジャーは利用者家族の長所強みは何かを常に探すのです。それは尊厳を守るため、ケアプランに必要な情報だからです。

利用者家族のライフストーリー(人生の語り)を大切にして、ケアプランを作成できるがケアマネジャーです。

市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整

この「連絡調整」という言葉の中には、いろいろなものが含まれています。

たとえば利用者に「デイサービスに連絡しておきますね」とか、「かかりつけ薬局に言っておきます」とか「一度、かかりつけの先生に聞いてみましょうか」とか、さまざまな事業所との連絡調整をケアマネジャーは実践しています。

この「連絡調整」には、実にたくさんの多職種との連携が含まれているのです。

そしてより良い連携をしていくためには、顔が見えなければ連携はできません。多職種連携に関しての手引きにも、以下のように記されています。

『行政と医療・介護関係者が良好な関係(顔の見える関係、話が出来る関係等)をつくる』参考:在宅医療・介護連携推進事業の手引き

より良い連携の決定要因

顔の見える先のより良い連携には、以下の決定要因がありますので、掲載します。

この決定要因を参考にして、ケアマネジャーの「連絡調整」にどんな魅力があるのか?以下のケアマネジャーの道筋にそって、連絡調整の醍醐味を見ていきましょう!

連絡調整の醍醐味!

話せる多職種を見つけていく。

例えば、話せるデイの相談員、話せる医師、話せる訪問看護師、話せる民生委員さん。一人ずつ、地道に仲間を増やしていきます。

でも、急に仲間は増えません。利用者を中心にしていけば、自ずと関係者はどんどん増えていきます。そういったさまざまなステークホルダーの仲間が、たくさんいているのがケアマネジャーの魅力でしょう

多職種の視点や役割を教えてもらう。

デイサービスの機能はそれぞれです。また訪問リハビリで関わってくれる理学療法士の利用者への視点はどうか。医師もにおいても、訪問診療している先生なのかどうか。先生の人となりはどうか。ここの福祉用具の担当者からのアドバイスが適切で勉強になるとか。民生委員さんは地域でどういった取り組みをしているのか。

話せる多職種から、それぞれ大切にしている視点や役割を聞いて、教えてもらうのです。

多職種を横断的に理解しているのがケアマネジャーになります。

リスペクトできる多職種に出会えたら良し

この医者すごいな!とか、ここの訪問看護師さんは頼りなる!とか。

たくさんの仲間から、リスペクトできる多職種に出会うことができるのもケアマネジャーの魅力ですね。

まとめ

ケアマネジャーの魅力のまとめです。

  1. 個人の能力も地域の資源も「動員」できる。
  2. 利用者家族にとって、最高峰のサービスメニューをカスタマイズして整えることができる。
  3. 本人の「ケアプラン」を作成する代理人として、事実上業務を専有している。
  4. 利用者家族のライフストーリー(人生の語り)を大切にして、ケアプランを作成できる。
  5. 仲間(多職種)がたくさんいて、多職種を横断的に理解している。たくさんの仲間から、リスペクトできる多職種に出会うことができる。

いかがでしたでしょうか?

ケアマネジャーという職種に、興味が湧きましたでしょうか?是非、一緒にこの業界で働いていただけたら幸いです。

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