ソーシャルワーカーになるためには、どうしたらよいのでしょうか?
ここでは、ソーシャルワーカーになるために必要なことは何かを解説していきたいと思います。
相談援助の国家資格である社会福祉士となれば、ソーシャルワーカーになれるのか。
ここでの結論は、
ソーシャルワーカー>現在の社会福祉士です。
社会福祉士を20年続けてきた私としては、複雑なのですが・・・、その理由を含めて、最新の国の議論を踏まえ、ソーシャルワークの専門職について解説していきます。
ソーシャルワークの専門職について
ソーシャルワークの専門職である社会福祉士について
日本では、ソーシャルワークの専門職としては、社会福祉士と精神保健福祉士があります。
平成30年3月に厚生労働省にてソーシャルワーク専門職である社会福祉士に対する期待がまとめらました。
国が、表題で「ソーシャルワーク専門職」として明示したのは大きいインパクトでした
ソーシャルワークの専門職としての役割を担っていける社会福祉士を養成するために、令和元年に教育内容(厚生労働省)が見直されました。
このスケジュールでいくと、新しいカリキュラムで養成を受けた社会福祉士が令和7年4月から活躍していきますね。
これからのソーシャルワーカーに必要な能力については、当サイトでも以下にもまとめていますのでご参照くださいね。
平成19年においても社会福祉士は教育内容(厚生労働省)が見直されているのですが、当時は「ソーシャルワーク」という文言は各論にはみられるものの、表題にはほとんど出てきませんでした。
この短い期間の中でも、ソーシャルワークへの期待が高まって、
それを社会福祉士が担おうとしている。
そういった変化を感じています。
今後は、実践能力を持った社会福祉士がソーシャルワーカーとして活躍することが期待されています。
いろんなところで、ソーシャルワーカーの資格はありませんという説明を目にしますが、
- ソーシャルワークが奥深く幅が広い「実践」と「学問」であるということ
- 昨今のソーシャルワークへの期待
それらから、ソーシャルワーカーになるために基礎資格として「社会福祉士が必要」であると言えます。
ちなみに、
アメリカでは、修士号取得(MSW:マスター・オブ・ソーシャルワーク)によってソーシャルワーカーになれます。
日本においては、MSWというと、メディカルソーシャルワーカーを指し、医療ソーシャルワーカーとして医療保健機関で働いています。アメリカのMSWのMはマスターで日本とは意味が異なります。
次に、ソーシャルワーカーの仕事について、紹介していきたいと思います。
ソーシャルワーカーの仕事
ソーシャルワーカーの活躍の場は、広がってきています。ここでは、具体的なソーシャルワーカーの仕事を紹介します。
・医療ソーシャルワーカー(MSW)
保健医療機関において、社会福祉の立場から患者さんやその家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行います。(日本医療ソーシャルワーカー協会)
・精神科ソーシャルワーカー(精神保健福祉士)
精神障害者に対する援助のみならず、精神障害等によって日常生活又は社会生活に支援を必要とする者や精神保健(メンタルヘルス)の課題を抱える者への援助(精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて 厚生労働省)
・スクールソーシャルワーカー
問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働き掛け、関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整、学校内におけるチーム体制の構築、支援、保護者・教職員等に対する支援・相談・情報提供、教職員等への研修活動を実施。(スクールソーシャルワーカー活用事業 文部科学省)
・コミュニティソーシャルワーカー
地域において、支援を必要とする人々の生活圏や人間関係等環境面を重視した援助を行うとともに、地域を基盤とする支援活動を発見して支援を必要とする人に結びつけたり、新たなサービスを開発したり、公的制度との関係を調整したりする(大阪府地域福祉推進室地域福祉課)
高齢分野のコミュニティソーシャルワーカーとしては、地域包括支援センターに配置されている社会福祉士が挙げられます。以下のサイトを参考にしてくださいね。
・生活相談員・支援相談員
主に施設に入所している高齢者に対し、各種の相談や援助、援助計画の立案・実施、また、関係機関との連絡・調整を行います。もっとも、介護職員の配置が少ない施設では、利用者の生活援助に直接当たることもあります。さらに、利用者の施設における人間関係や不満、将来の不安などについても相談に応じます。(WAMNET)
・司法ソーシャルワーカー
高齢者や障害者などで法律の知識がない、またはコミュニケーションが不自由である人が法律にかかわる問題で困っているとき、司法・行政・福祉が連携して直接働きかけ、課題解決への支援をすること(WAMNET)
・子ども家庭福祉ソーシャルワーカー(仮称)
子ども家庭福祉分野の新たな資格の制度設計は、ソーシャルワークの共通基盤を担保した上で子ども家庭福祉分野の専門性を身につけた人材を養成する観点から、原則として、子ども家庭福祉分野に関する上乗せの教育課程・研修課程を修めた社会福祉士・精神保健福祉士が認定される仕組みとしてはどうか。(令和3年度 社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 報告書(案)厚生労働省)
当サイトでも、この子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの資格について、医療介護から見たコラムを記載しています。ご参照ください。
まとめ
現時点では、
ソーシャルワーカー > 社会福祉士
ということになります。しかし今後は、
ソーシャルワーカー ≒ 実践能力を持った社会福祉士
といえます。直近では、ソーシャルワーカーについての国の論議は、子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループになるでしょう。
大変熱心な討論が繰り広げられていました。これまでのソーシャルワーカーについての在り方にもさまざま触れられていました。
結論、ソーシャルワーカーになるためには、
ソーシャルワーカー = ソーシャルワークをきちんと実践できる社会福祉士
ソーシャルワーカーになるために、たゆまぬ努力が必要になります。
以下は、ソーシャルワーカーにとっての必携本を紹介しています。ソーシャルワークを実践するうえで欠かせない良書になります。ぜひご一読ください。