社会福祉士実習がきつい。しんどい。不安などがあると思います。せっかくの実習を不合格にならないように、ここでは、実習生がもっておく面接場面への着眼点を紹介します。
みなさんの実習を少しでも負担を少なくできるように、現任者として、実習指導者としてかかわってきた経験を生かして、わかりやすく綴っていきたいと思います。
みなさんが実習で必ず出会うのが実習指導者です。実習指導者になる社会福祉士の方もいろんなタイプがいるでしょう。
悩みを解消していく一つのヒントとして、現在、かならず「社会福祉士実習指導者講習会」を受講して実習指導者になっています。
実習生が実習評価はどうなっているのかを一定、知っておくことが実習を乗り越える近道だと、ここでは結論づけています。
ですので、実習指導者の評価の視点をしっかり押さえていきましょう。
以下は、新カリキュラムに対応している2021年8月に改訂されたソーシャルワーク実習(厚生労働省報告書)ガイドラインからの引用になります。今後、実習指導者が行う実習評価にかかわる内容が明記されています。もし指導者の方であれば、見ておくべき資料でしょう。
実習生の立場からすれば、指導者が、実習のどこに着目するのかが、ばっちり示されているのです。これは見ておくしかありませんね。
実習のねらいは5つあって、教育に含むべき事項は10つあります。
ここでは、教育に含むべき事項②を見ていきましょう。
実習評価を理解しよう②
教育に取り組むべき事項② 援助関係の形成
教育に取り組むべき事項②
利用者やその関係者(家族・親族、友人等) との援助関係の形成
援助関係の形成とは、クライエント(以下、利用者を含む)やその関係者(家族・親族、友人、様々な組織・団体、地域等)との信頼関係の構築を表しています。
ミクロ・メゾ・マクロの各レベルでの直接のコミュニケーションを通して、クライエントやその関係者と理解し合い、問題解決に向けて協働できる関係づくりをする力、また、ソーシャルワーク専門職として境界線(バウンダリー)を設定する力を養うことです。
具体的には、利用者やその関係者が、問題解決に必要な自分に関する情報を安心して公開できる関係を築くことや、実習生からの説明や情報の提示、提案などについて、理解しようとする姿勢を示す関係を築くことです。
達成目標
(2)クライエント等との援助関係を形成することができる
社会福祉士の実習で求められる援助関係を形成することができるかどうか。直接のコミュニケーションというところが大きなポイントですね。
また、他者理解と自己理解についても理解を深めたいところです。この自己覚知については、以下でできるだけわかりやすくまとめていますので、参考にしてくださいね。
実習生の行動目標
そのための実習生の行動目標を見ていきましょう。行動目標は、実習生が習得すべき具体的な言動になります。
行動目標
①クライエント等との信頼関係(ラポール)を構築する際の留意点や方法を説明することができる。
②クライエント等に対して実習生としての立場や役割を理解できるよう説明することができる。
③クライエント等と対話の場面で傾聴の姿勢(視線を合わせる、身体言語や声の質に配慮する、言語的追跡をする等)を相手に示し、コミュニケーションをとることができる。
④実習指導者や職員がクライエントとの問題解決に向けた信頼関係を構築する場面を観察し、重要な点を説明することができる。
信頼関係を構築する場面は、面接が挙げられます。
でも、信頼関係を構築する場面というのは、きちんとした面接以外もあります。
電話や、ふらっと事務所や相談室へ立ち寄った際の面談なども、そういった場面になります。
例えば、実習生が事務所にいる時に、指導者の電話対応を聞く場面での心構えのポイントを解説していきたいと思います。
実習生の心構え
実習指導者の電話対応の聞くポイント
実習生の着眼点 ・どういったコミュニケーションをとっていたか。(傾聴の姿勢 声の質、トーンはどうか) ・どこに留意して話をしているのか観察してみましょう。(例えば、その中で重要な応答はないか) ・そして、自分の考えをまとめてみる。(自分で考えたコメントを記入する)
具体的な例を挙げてみましょう。
場面の着眼点 「初回の問い合わせの入電があった。対応した指導者Aは傾聴を心掛けて応対していた。」
といったところでしょうか。そして、より良いのは、
場面の着眼点 「初回の問い合わせの入電があった。対応した指導者Aは傾聴を心掛けて、丁寧な話し方をしていたが、これは、まだクライエントとの関係性ができていないため、信頼関係の構築を意識していると考えた」
後半の自分の考察を入れるとなおgood‼ですよね。こういった落とし込みをしていければ、指導者としては手ごたえを感じていきます。
みなさんにとって、少しでも安心できる実習となりますように。切に願っております。
以下は、実習生に必要な情報収集について、ケース記録通読の留意点を紹介しています。
ここでは、国家資格の「社会福祉士」取得のための勉強方法について紹介します。過去問について、受かる人はどんな勉強をしているのか。おすすめの参考書、問題集を取り上げています。