社会福祉士実習が不安だな。きついって聞いたりするので、無事に終われるかどうか。
ここでは、社会福祉士になるために頑張っているみなさんの「実習」を不合格にならないように、実習生に必要なことを紹介していきます。
記事の内容について
- 実習指導者の評価の視点について
- 実習評価③について
- 教育目標と行動目標
- 必要な実習生の心構え
記事の信頼性について
医療・高齢・地域福祉でソーシャルワーカーとして、対人援助職20年になります。現職は、地域福祉機関で管理者をしています。
社会福祉士養成校等で、社会福祉士等の養成に関わって8年。
有資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、公認心理師。
これから実習に挑むみなさんの実習の負担を少なくできるように、現任者として、実習指導者としてかかわってきた経験を生かして、わかりやすく綴っていきたいと思います。
ここでは、特に情報収集について、ケース記録通読の留意点を紹介します。
実習指導者の評価の視点について
みなさんが実習で必ず出会うのが実習指導者です。実習指導者になる社会福祉士の方もいろんなタイプがいるでしょう。
実習の悩みを解消していく一つのヒントとして、実習指導者は現在、かならず「社会福祉士実習指導者講習会」を受講して実習指導者になっている養成課程をここでは着目したいと思います。
実習生が実習評価はどうなっているのかを一定、知っておくことが実習を乗り越える近道だと、ここでは結論づけています。
ですので、実習指導者の評価の視点をしっかり押さえていきましょう。
以下は、新カリキュラムに対応している2021年8月に改訂されたソーシャルワーク実習(厚生労働省報告書)ガイドラインからの引用になります。今後、実習指導者が行う実習評価にかかわる内容が明記されています。もし指導者の方であれば、見ておくべき資料でしょう。
実習生の立場からすれば、指導者が、実習のどこに着目するのかが、ばっちり示されているのです。これは見ておくしかありませんね!
実習のねらいは5つあって、教育に含むべき事項は10つあります。
ここでは、教育に含むべき事項③を見ていきましょう。
実習評価を理解しよう③
教育に含むべき事項③
③利用者や地域の状況を理解し、その生活上の課題(ニーズ)の把握、支援計画の作成と実施及び評価
クライエント(以下、利用者を含む)や地域の状況の理解とは、ミクロ・メゾ・マクロのすべてのレベルの状況に関する情報を収集し、ミクロ・メゾ・マクロレベルで何が起きているかをアセスメントすることを指します。
具体的には、ソーシャルワークの価値規範・倫理に基づいて、システム理論やエコロジカルモデル、BPS モデルを活用し、今、ここで、何が起きているか、ミクロ・メゾ・マクロシステムの何が関係していて、過去や未来の何が関係しているか、アセスメントをもとに説明できる力を養うことです。
加えて、アセスメントに基づいて、その生活上の課題(ニーズ)及び変化に向けて働きかける対象を把握すること(問題解決に向けたターゲットの設定)、理論・モデル、アプローチに基づいた支援計画の作成、実施及び評価を行う力を養うことが説明されています。
具体的には、実習先で活用されているミクロ・メゾ・マクロレベルにわたるすべての計画様式(個別支援計画、事業計画、各種行政計画等)を使用して計画を作成し、その一部または全部を実施し、事前事後の比較によってターゲットの変化と問題状況を評価することを指します。
これを踏まえ、ここで着目したいのは社会福祉士の実習で求められる情報収集についてです。
現在の状況だけではなく、過去のエピソードなども踏まえる視点が大変重要ですね。そのうえで、未来の計画立案が可能になります。この継続性の視点がポイントになります。
実習生の行動目標
そのための実習生の行動目標を見ていきましょう。行動目標は、実習生が習得すべき具体的な言動になります。
(4)クライエント、グループ、地域住民等のアセスメントを実施し、ニーズを明確にすることができる
- 現在または過去のクライエント等の各種記録を参考に、収集すべき情報を説明することができる。
- バイオ・サイコ・ソーシャルの側面からクライエント等の客観的・主観的情報を系統的に収集することができる。
- クライエント等のエコマップを作成し、クライエント等を取り巻く環境(クライエントシステム)や関係性を把握し、説明することができる。
- クライエントの了解のもと、本人の家族や利用しているサービス事業者から情報を収集し、クライエントを強みの視点から理解・説明することができる。
- 収集した情報を統合してアセスメントし、クライエント等のニーズを明らかにすることができる。
- 収集した情報を指定の様式や用紙に記録することができる。
アセスメントを細分化した説明がここでは述べられているといっていいでしょう。
例えば、ケース記録からは大切な情報が収集できます。
実習中に「ケース記録を読んでおいてほしい」と指導者から言われる場合があると思います。
以下には、その留意点について解説していきます。
実習生の心構え
ケース記録読んでおいてと言われたら!?留意点を紹介します。
「今は忙しいから、とりあえずケース記録読んでおいてね!」
こんなふうに言われたら実習生としては「あまり相手にされない・・・。」という印象をもつでしょうか。
指導者がそう言う理由はさまざまであると思います。
業務があるので、個別に実習生に対応ができないことも理由となる場合もあるでしょう。
実際、指導者としての経験では、実習時間がプログラムで埋まらないので、時間が空く時があります。
指導者も業務があるわけだし、「放っておかれた」と言っていても、仕方のないことです。
同じように時間は過ぎ、「実習」は終わってしまうので、ここでは、ケース記録を読む意味合いについて考えたいと思います。
ケース記録を通読する意味① 記録からケースの概要やなぜこのような支援経過になったかなど、読み取るべし。
イメージしてみましょう。
今後、現任者となったあなたは、クライエントAさんを引き継ぐことになりました。
その時、前任ソーシャルワーカーの記録を通読することになります。
そこで、何をつかまないといけないのか。
それは、すべてと言えばすべてですが、ケース概要を読み取らないといけませんね。そのためのトレーニングなのです。
ケース記録を通読する意味② 実習指導者以外の記録を通読することで、いろいろな表現に触れる機会にするべし。
現在、ソーシャルワーカーも複数人職場が多くなってきています。
ですので、さまざまな支援者の記録を読むチャンスがあります。
実習指導者以外の例えば看護職の記録を読む機会もあるかもしれません。
記録の書き方は、書式はおおむね決まっているものの、表現はその個人の特性が表れやすいものです。
せっかくの機会ですから、さまざまな記録を通読して、「そういう書き方があるのか」と学ぶ機会にしてください。
みなさんにとって、少しでも安心できる実習となりますように。切に願っております。
めざし
ここでは、国家資格の「社会福祉士」取得のための勉強方法について紹介します。過去問について、受かる人はどんな勉強をしているのか。おすすめの参考書、問題集を取り上げています。